建築士になるまでに

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「けんちく」のプロを目指して

断熱材、外から貼るか?内から詰めるか?

皆さん、こんにちは。mitsukiです。

 

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しょうもないタイトルを思いついたので記事にします。

 

いまや新築やリノベーションでは標準仕様になりつつある断熱
しかし言葉は知っているが詳しい実態は知らない、そんな人が意外と多いのではないのでしょうか。

 

今回はそんな方に断熱の基本のキと、その内訳的なものをお伝えしたいと思います。

 

 

 

断熱とは

 

断熱については以前も触れましたが、要は空気の層を形成して室内の空気と外気を隔絶する、というのが大まかな目的です。

www.architegg.com

  

これは魔法瓶をイメージしてもらえばわかりやすいですね。
居住空間と外部の間に一層設けることで、内にいる人は外気の影響をあまり受けずに生活ができます。

 

そんな断熱の一番のメリットは空調で調節した温度が長く保たれる、ということ。

 

ちなみにいくら断熱性能が素晴らしいと言っても、真夏の夜を冷房無しで乗り切れる、といった話ではありません。

少量のエネルギーで室温が長く保たれる。だから環境にも優しい。

 

そんな理屈です。

 

断熱の仕組み

 

さてこの「断熱」
鍵となる要素は①厚さ②断熱性能です。

 

まずは厚さ

空気層は厚ければ厚いほど良い。

 

しかし極端にやりすぎれば生活空間が狭まってしまいますね。笑

したがって、例えば木造であれば柱間の80~120mmの厚みで断熱材を施工するのが一般的かと思います。

 

次に断熱性能
これは熱伝導率という熱の伝わりやすさを数値化したデータで優劣が決まります。

 

各建材メーカーはこの数値を公開しており、これが断熱性能を決めています。

性能とコストのバランスを見て適切な断熱材を選定しましょう。

 

内断熱と外断熱

 

断熱の基本的な理屈はわかりましたね。

 

しかし断熱は施工的な観点から二種類の方法があります。

それがタイトルにあるように外から施工するか内側から施工するか、です。

 

いわゆる外断熱内断熱と呼ばれるものです。

 

まず「内と外」と言うくらいですからその境界があります。

それは建物の構造体です。

 

木造、鉄骨造(S造)で言えば土台や柱などの軸組(骨組みのこと)を、

鉄筋コンクリート造(RC造)で言えばコンクリートで形成された躯体を指します。

 

この構造体の内側に施工するか外側に施工するかで外 or 内断熱が決まります。

 

では実際の施工風景を見てみましょう。

 

こちらは外断熱工法。

構造体である柱の外側に断熱パネル貼っていますね。

 

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次に内断熱工法です。

外断熱とは逆で、構造体である柱の間に断熱材を敷き詰めています。

 

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こうして見ると両者の違いはそんなに無さそう。

しかし外断熱と内断熱では決定的な違いがあります。 

 

両者の違い

 

ここでは両断熱によるコストや工期などの細かいメリット・デメリットを挙げようと思ってましたが、やめました

皆さんにはそんなことよりも外断熱と内断熱の一番の違いを知っておいてもらいたいと考えたからです。

 

外断熱と内断熱の決定的な違い。

それは構造体が外気に晒されるかどうか、です。

 

内断熱、つまり構造体が外気に晒されるかとどうなるか。

それは構造体に結露が発生する可能性が大幅に高まる、ということです。

 

外気に晒されるかことそれ自体は悪いことではありません。

昔の木造住宅などほとんどがそういった作りをしていますしね。

 

しかし空調機という文明の利器が生み出され、室温が人間とって快適なものになった結果、真冬や真夏では室温と外気に著しい隔たりが生まれるようになりました。

 

ここで「結露とは?」という人のために少しだけ。

 

結露とは空気の温度差がある部分に発生します。

 

そもそも結露は年がら年中発生するものです。 

夏のビールや冬の窓を想像してもらえればわかりやすいですね。

季節を問わず温度に著しく差がある部分に結露は発生します。

 

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そして建築における結露の問題は、この表面的な結露にとどまらない点です。

それは壁内などで発生する内部結露と呼ばれるものです。

 

では下のイラストを見てください。

 

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寒い冬に室内で生活していれば、暖房を付けるのが一般的かと思います。

内断熱工法(左側)ではそんな室内で暖められた空気屋外の冷えた空気が構造体の境界でぶつかっていますね。

イラストでは両者の境界部分で内部結露が発生しています。

 

室内からはクロスやらボードやら断熱材が貼ってあるためもちろん見えません。

これが内部結露の厄介な点。

 

では外断熱はどうでしょう。

 

外断熱は構造体もすっぽり断熱材で覆ってしまい、さらにその外側に通気層を設けるため、結露が発生しにくい仕組みとなっています。

(内断熱にも防湿シートという湿度を通さない方法がありますが、理論上は可能であっても現実問題難しいのではないか、というのが現時点での意見です。このあたりはまた別の機会に。)

 

さて内部結露の問題点は、発生した結露はやがては柱や土台に達することです。

 

水分でひたひたになった木材を思い浮かべて下さい。

 

腐りますよね。

カビますよね。

 

カビや腐朽菌でズブズブに腐った木材はやがてシロアリを呼び、家全体の構造体を蝕みます。

 

建物の構造体をダメにしてしまうんではないか。

これが内断熱を敬遠する理由です。

 

また、内部結露を木造だけの話だと捉えないで下さい

鉄骨造であれば鉄が錆びますし、RC造であればクラックの原因になります。

 

結露が好きな構造体なんて無いんです。 

 

そして同時に、構造体がダメになった建物に明るい未来はありません。

リフォームもリノベーションもコンバージョンも、構造体がしっかりしていることが前提にあります。

 

新築住宅であれば、あるいはその家に住むのはあなたとその家族だけかもしれない。

しかし建築業界でもエコブームが到来した昨今、建物を長く健康な状態に保つことは将来的にも絶対にプラスに働きます

 

中古売買することも視野に入れ、構造体も含めた家の長期保全を心がけてください。

後世のためにも大切に労りましょう。

 

まとめ(まとまってないけど)

 

目に見える結露はかわいいもんですが、内部結露は放置しておくと本当に危険です。

気付いたときにはもう遅い…まるでサイレントキラーのよう。怖いですね。

 

記事を書き始めていろいろ調べましたが、外断熱工法を採用している業者は内断熱を批判し、その逆も然り…

調べれば調べるほど何が正解かわからなくなってしまったのが率直な感想です。

 

この記事でも現状は外断熱の方が良さそうに思えたのでこの方針にしましたが、必ずしも正解ではない可能性もあります。

この記事で合っていることなんて結露についての理屈だけかもしれません。

 

じゃあ何が良くて何が悪いのかなんて、結局は誰もわからない気がします

 

というのも、いくら断熱の理論がしっかりしていたとしても施工する人間は別だからです。

建築現場行くとたまに「一生の買い物をこんな程度の低い人間が作ってるのか」と思わせる職人と遭遇します。定められた工程を端折ってしまう職人さえいます。

 

そんな職人が断熱の理論をイチから理解して、かつ施工も完璧に行うなんてことは期待してはいけないと思いますし、お施主さんを巻き込むなんて以ての外だと思うんです。

このあたり職人ごとの評価をもっとオープンにすべきだと思いますが、お施主さんに職人を選ぶ余地はないですからね。

 

簡単施工完璧断熱の工法が確立されるまで石橋を叩き続けるのもまた正解かもしれません。

 

断熱におけるキーワードは結露シロアリ

根気よく調査し、また発表したいと思います。

 

 

 

おわりに


いつもご覧になっていだたきありがとうございます。

 

私事ですが、今更ながらルンバを購入しました!

 

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とても便利で、賃貸住まいの方であればその殆どを掃除してくれる気がします。

(騒音はなかなかのもので、基本外出中に仕事してもらってますが。笑)

 

唯一の欠点は段差に弱いところでしょうか。

しかしこれは住まい側で十分対応可能な部分です。

全室ルンバ可能!とかその内セールスポイントになりそう。笑

 

Google homeもいよいよ発売されましたし、AIをはじめ、建築も否応なしにIT化に対応していかなければならない時代がやってきましたね。楽しみです。

 

それでは。