建築士になるまでに

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「けんちく」のプロを目指して

マンションはなぜ斜めなのか

皆さん、こんにちは。mitsukiです。

 

タイトルの通り「マンション斜めの謎」です。

 

ピサの斜塔的なマンションが傾いているという話ではありません。

注目していただきたいのはマンションの上部。

 

斜めに切り取られたような形をしていませんか?

四角い箱をあとからスパーン!と切り取られたような。

 

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あれ、ちゃんとした理由があるんです。

「斜線制限」という刃が建物のあちこちを飛び交っているんです。

 

今日は建築物の高さについて考えてみましょう。

 

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建築物の高さ制限

 

建物を建てるにあたり色々な高さ制限があります。

冒頭ではそれを居合に例えましたが、設計士は斜線制限という刃を躱しながら建物を設計しています。

 

間違っても住居地域に東京タワーみたいな建物を作ってはいけません。

一瞬で切られます。

この竹のように。

  

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ではこの斜線制限とは一体なんなのか。

今回は住宅の設計で主に登場する3つの斜線制限をご説明します。

 

①道路斜線

 

まずは道路の斜線制限です。

 

敷地に建物を建てられる条件のひとつに「その敷地が2m以上道路と接しているか?」というものがあります。

接道義務と呼ばれるものですね。

 

この敷地に接道している道路をその敷地の「前面道路」と言います。 

 

道路斜線制限とは「前面道路の反対側から斜線を引き、その範囲内で収まるようにしてね」というもの。

イラストにするとこんな感じです。

 

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基本的に住居系ほど基準が厳しいので低い建物になりがちです。

逆に街中などの商業系ほど基準が緩いので高い建物が建てられます。

 

なにが変わるかというとイラストの△の傾斜が変わってくるんですね。

(1.25→1.5になり水色部分が拡大する)

 

またこの図式でいくと前面道路幅が大きいほど水色部分が拡大しますよね。

斜線の開始位置が奥になるので。

 

幹線道路などの大通りに面した建物が大きいのはそういった要因もあります。

 

他にも適用距離やセットバック緩和など考慮することはありますが、ザックリと捉える分にはこれで十分でしょう。

  

②隣地斜線

 

次は隣地の斜線制限について。

 

お隣さんとの敷地境界での斜線制限です。

隣地境界から一定の高さを超える場合「隣地から斜線を引き、その範囲内で収まるようにしてね」というものです。

 

イラストにするとこんな感じ。

 

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一定の高さは住居系では20m、商業系では31mと決められています。 

ただほとんどの住居地域では高度地区の制限(10m~)や絶対高さ制限があるので20mという高さが活躍する機会はあまり無いのかもしれません。

それこそマンションなどを除いて。

 

住宅程度の規模ではなかなか制限にかかることもありませんが、覚えておいて損はありませんね。

  

③北側斜線

 

最後は北側斜線について。

 

そもそもなんで北側だけ?と思いますよね。

東側斜線でも南側斜線でも西側斜線でもなく、北側斜線です。

 

それは太陽が南から登るからに他ありません。

 

まず「南側から太陽が登る ≒ 北側に影ができる」という図式が成り立ちます。

なので北側に高い建物を立てる場合「北側の敷地境界から斜線を引き、その範囲内で収まるようにしてね」という斜線制限になります。

 

イラストにするとこんな感じ。

 

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一見すると隣地斜線制限と似ていますが、斜線の開始位置がさらに厳しくなりましたね。

5mもしくは10mが斜線の開始位置になります。

 

この北側斜線、気をつけていただきたいのは「北側斜線は住居系地域だけ」という点。

道路斜線でも触れましたがやはり住居系地域での高さ制限は厳しいものがあります。

 

私たちが住んでいる住宅街もその甲斐あって落ち着いた雰囲気があるのではないでしょうか。

大きい建物はそこにあるだけで圧迫感が出てきてしまいますからね。

 

まとめ

 

斜線制限についておおまかに説明しましたが、いかがでしたか?

 

斜線制限だけでも3種類もありましたね。

正直「まどろっこしい!」とお考えの方もいるかと思います。

 

しかし建築基準法が斜線制限を設けてまで大事にしているのが「人々の日照権」です。

 

仮に斜線制限がなかった場合、建築士の好き放題に建物が乱立する事態になりかねません。

それは景観的に統一感が出ないばかりか、人々が日に照らされる機会をも奪ってしまいます。

 

そこを予防してくれているという点でやはり建築基準法は素晴らしいです。

ともすれば制限が多くて憎らしい存在と捉えられがちですが、こうして紐解くと国民全体のことをキチンと考えて作られたということがよく分かりますね。

 

 

以上、建築物の斜線制限でした。

 

 

おわりに

 

建築物の斜線制限。

意外と奥が深かったですね。

 

こうした雑学があるだけで街を見る視点が少し変わりますよね。

ここまで読んでくださった皆さんにはもう見えていることかと思います。

 

斜線制限をギリギリで躱すマンションの姿が。

 

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いつもご覧になっていだたきありがとうございます。 

  

それでは!