皆さん、こんにちは。mitsukiです。
前回に引き続き「家を建てる方法」をご説明するコーナーです。
第2回目となる今回は「設計施工の工務店」!
ただの工務店ではありません。
自分たちで設計からデザインまでしてしまう工務店です!
あなたの近所の工務店もすでに実践しているかも!?
そんな視点で御覧ください。
ではいきます。
アーキテクトビルダー
設計施工の工務店は巷で話題の(?)アーキテクトビルダーと呼ばれる分類になります。
もう響きがカッコ良すぎますよね。
建築設計を表すアーキテクトと、作り手を表すビルダーを合わせた造語です。(和製英語かな?)
「設計事務所なんて必要ない!」
「作り手がそのまま設計するから任せろ!」
という合理的な考え方から生まれた業態です。
工務店で設計するメリット
最近ではこの設計施工の工務店が増えてきたようで「より現場に詳しい工務店こそが理にかなった家作りができる!」というスタンスです。
実際に現場で作ってきた職人だからこそできる「かゆい所に手が届いた家作り」がセールスポイントになっています。
デザイン性もそこそこに、何より住みやすい住まいを提供してくれます。
そのデザイン性も最近では工務店自身が設計部門をかまえていたり、設計事務所に外注していたりする工務店もあるようで(本末転倒)、設計事務所に引けをとらない所も出てきています。
「住みやすくてなおかつオシャレ!」
「言うことなし!」
…そう思っていた時期が私にもありました。
でもそうは問屋が卸さないんです。
工務店が出来ないこと
この業界はなにかとお金がかかります。
家を建てるならば1000、2000万円はくだらないです。
できることなら1万円でも千円でも安くしたい…
誰だってそう感じています。
そんな心情を汲み取って設計事務所では必ずあることをします。
なんだと思いますか?
こんな紹介をするくらいなので、もちろん設計施工の工務店ではできない(しない)ことです。
そう、それは
相見積もりです。(アイミツです。)
相見積もり
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。
相見積もりとは「施工業者(工務店)を選定するために複数の業者に見積もりを依頼すること」です。
見積もりを簡単に説明すると、各業者に設計図を提示し「この家を建てるのにいくらかかる?」と聞いて回ることです。
聞いて回ったその結果をもとに、一番適正な業者に発注を依頼します。
要は一番安く作れるところに依頼します。
(物件によっては「仕事が丁寧」などの評判も加味します。)
この一連の流れを相見積もりと言います。
前置きが長くなりましたが、ここで工務店の場合を考えてみましょう。
工務店で設計するデメリット
もうお気付きの方もいるかもしれませんね。
アーキテクトビルダーに相見積もりはできません。
なぜか。
それは当然業者が1社しかいないからです。
相見積もりをするということは各社にしのぎを削ってもらうことを意味します。
高い金額をふっかけるだけでは他社に取られてしまいますからね。
つまり相見積もりを行うことで初めてその家が市場の適正価格になるのです。
逆に相見積もりを行わない金額は競争相手がいないぬるま湯の状態で出された金額になります。
言い方を変えれば独占価格です。
こんな状態で一生の買い物ができますか?
できないですよね。
人生で一番高い金額を払うのです。
業者には頑張ってもらいましょう。
わがままもたくさん言いましょう。
家づくりの主役はお施主さんです。
デザイン性
こちらについても一言あります。
というのも工務店という作り手が考えるデザインはどうしても作りやすさが優先されがちになります。
作りやすいデザイン=悪いデザイン では断じてありません。
しかし例えば「壁がすべて曲線の家に住みたい!」というお施主さんがいたとします。
施工のしやすさはもちろん
直線 > 曲線
です。
必然的にこの家は職人さんに敬遠される家になります。
まず前提として、工務店は本来「職人の集団」です。
その工務店がデザインと作りやすさを天秤にかけたとき優先される方はもちろん「作りやすさ」になります。
部署が違えど身内は身内です。
どうしたって甘えは発生します。
デザインに力を入れる工務店といえば聞こえはいいですが、その性質上どうしても力を入れ切れない体制が始めから出来上がっているのです。
本当にデザインにこだわる方であれば やはり工務店は選択肢から外すべきだと私は思います。
おわりに
いかがでしたか?
今回も設計事務所目線で言いたい放題でしたが、前回の記事と本質は同じだと思っています。
次回詳しくご説明しますが、設計事務所と契約するということは「建築の知識を備えた味方を作る」ことと同義です。
その味方を作らず、自分一人で施工業者と立ち向かうことがいかに危険かをご理解いただけたと思います。
次回はいよいよ設計事務所について。
現状の課題もたくさんあると考えているので、一つひとつ洗い出していきましょう!
いつもご覧になっていだたきありがとうございます。
それでは。