皆さん、こんにちは。mitsukiです。
先日からBIMの素晴らしさをこのブログで伝えてきました。
が!
そもそも現状の設計業務に問題がなければ、そんなソフトを導入する必要もないですよね。
元を辿ればソフトのお金を払っているのもお客さんなわけですし。
しかしそうも言っていられない問題が現状の設計業務にはあります。
今回はその辺を詳しく解説したいと思います。
CADの問題
改めましてCAD。
Computer Aided Design
直訳の通りデザインを助けるコンピュータです。
大昔から続いていた手書きによる図面作成を電子化するという、当時としては画期的なソフトでした。
製図作業は大きな製図台に大きな定規を用いてA1やA2サイズの一本一本線を引いていくというもの。
↑の写真を見るだけでもその大変さが伝わりますよね。
それがCADによりマウスとキーボードを操作するだけで済むようになったため、大幅な労力の削減になりました。
おまけにコピペなんていう裏技も出来てしまう!
当時の設計士はさぞかし喜んだことでしょう。
しかしどんなに省力化が進んでも、問題の根本は何も解決していませんでした。
前回の記事でもお伝えしたように建築という3次元を、図面という2次元に落とし込んで考えること自体に無理があったのです。
そう、図面ありきの設計は致命的な問題を抱えてたのです。
何を隠そう、その問題とは…
変更・修正に弱い
です。
図面ありきの設計は間取りなどのプラン変更に本当に弱いです。
どれぐらい弱いかというとポッポに電気ショックを与えるくらい。 それぐらい弱いです。
しかしいくらそれが課題だとしても、設計を進める中で内容に変更が生じる場面は往々にしてよくあります。
例えばそれは、
- 予定していた家具が予想外に大きかったり
- 予算の関係で部屋をひとつ削らなければならなかったり
- 法規に違反していたり
などなど、挙げればキリがないほど間取り(プラン)の変更は頻繁に起きます。
設計者はそのたびに図面を書き直しているのです。
これが一枚の図面ならまだ修正も容易です。
しかし建築図面の厄介な点は、互いの図面が密接に関わり合っているところにあります。
図面の関係性
皆さん賃貸を借りる際に間取りを見ますよね?
あれは家を空から見たものですが、立派な図面のひとつです。
↓こんな感じのものです。
対して、空からの視点を縦方向だとしたら、当然横方向に見た図面もあります。
↓こんな感じのものです。
さて、わかりやすく窓の位置に◯を付けておきました。
この◯の中に重複している情報があることに気が付いたでしょうか。
それは窓の幅です。
先ほどの設計変更の話に戻りましょう。
予算の関係で窓を一回り小さくしなければならない事態になりました!
さてどうしましょう。
答えはもちろん、図面の修正になります。
それも1枚ではなく2枚も!
窓の幅という、変更内容は1ヶ所にも関わらず、修正箇所は2箇所なのです。
(場合によってはもっと増殖します。)
設計者側はこれを1枚1枚丁寧に修正していかなければならないのです。
ここでミスでもしてしまった日には大惨事です。
現場で実際に窓が合わない!
→追加費用発生!
→誰がそのお金を払うんだ!
→ミスした設計者だろ!
→ですよね~…
なんてことも十分にありえます。
そのため図面間の整合性の確認は、現在の設計業務では必須の作業となっております。
それだけ設計ミスは命取りになります。
でも少し立ち止まって考えてみてください。
これって本当に必要ですか?
図面の整合性確認
厄介なのは、設計士側がこの整合性の確認も仕事のひとつだと捉えている点です。
いやもちろん仕事なんですけど、新参者の私からすれば設計プロセスを変えるだけですぐ解消できるんじゃない?と考えてしまうのです。
そう、図面ありきの設計ではなく3Dモデルから図面を出力するようなやり方に変えれば…
(ここは次回の記事で詳しく解説します。)
そうして余計な時間を減らすことができれば、建築士本来の考える時間がもっと増えるよな~と思うのです。
おわりに
いっちょ前に内容が高度化してきてしまいました。
しかし初心を忘れず、あくまでわかりやすい記事を心がけていくので何卒ご容赦を…|||Orz
建築の入門的なブログで在り続けたいものです。
いつもご覧になっていだたきありがとうございます。
それでは。