皆さん、こんにちは。mitsukiです。
四季のある日本はホント贅沢な国ですよね。
特に夏と和室の組み合わせはこれ以上なく美しいです。
こういった絵が綺麗だと感じるのも日本独自の感覚なんでしょうかね。
さて、そんな日本の建築に欠かせない和の要素。
それを構成する要素としては障子、屏風(ビョウブ)、襖(フスマ)、真壁などがあります。
しかしもっとも忘れてはならない存在がありますよね。
そう、畳です。
(無理やりすぎでしょうか。笑)
今日はそんな和室に無くてはならない「畳」についてのお話です。
畳の需要
日本の住宅事情は戦後急速に欧米化をしてきました。
その影響もあり、和室の代名詞とも言える畳の需要は昔に比べて減少傾向にあります。
実際、普段家族が過ごすスペースもリビングがほとんどであり、ソファ・テーブル文化と畳が共存できないのもなかなか悩ましい問題です。
それでも、普段使いはしないけれど「せめて客間には!」と小さい和室を作るご家庭もまだまだあり、やはり日本人にとって根強い人気がありますね。
日本-和室の関係は切っても切り離せない関係にあると言えます。
畳の特徴
畳の良い点はいろいろあります。
・熱が伝わりづらいので夏でも涼しい(草だから)
・空気を綺麗にしてくれる(呼吸してるから)
などなど良い点はたくさんありますが、私が考える一番の長所。
それは調湿効果があることです!
日本は湿気大国です。
住宅にとって湿気は天敵であり、放っておけば湿気からカビやダニが発生します。
また土台や柱にも湿気が大量に入り込めば木材を腐らせ、腐った木材はシロアリを呼び寄せます。
シロアリに侵食された躯体は家の倒壊につながり、湿気といえど日本にいる限りその存在は軽視できません。
日本の住宅にとって湿気対策は永遠の課題なんですね。
そういった意味でも、常時呼吸をしている畳は天然の湿気取りでもあります。
先人の知恵がこういった部分でも垣間見れます。
流行の畳
さてそんな素晴らしい畳。
最近の現代的な住宅に合うのかと言われれば、やはり難しい部分があります。
それでも何とか入れてほしい!と畳屋さんが取り入れ始めたのがこちら。
むむむ!
なんだかオシャレですね~。
畳の特徴である縁(ふち)がありませんね。
この畳、名前は「縁無し」と書いてヘリ無し畳と言います。
別名「琉球畳」。(厳密には異なります。)
畳といえば言葉通り「1畳」という大きさを表す単位にもなっていますが、こちらは半畳サイズの畳になります。
良い点は畳独特の縁がない分、モダンな雰囲気のお部屋にもマッチすることですね。
これならばリビングの一角を畳スペースとしても違和感なく溶け込んでくれそうです。
また半畳サイズであるため、仮に一部破損してしまっても半畳分の交換で済むため、メンテナンスが楽であると言えま…
せん!!
縁が無いということは、その分耐久力が落ちることも意味します。
実際に端からささくれることも多いようで、損傷が多いということはメンテナンスの頻度も増えてしまうため、一概に管理が楽だとは言えませんね。
またこの記事を書くときにいろいろ調べてみたのですが、縁無し畳(琉球畳)は市場に出ている量が非常に少ないようです。
というより本来の琉球畳は頑丈な草で作られているようですが、「ただの縁が無い畳」までもが琉球畳として売られているのが現状です。
要はまがい物が多く出回っているということですね。
こちらはまた別記事でまとめて調査していきます。
設計者はそのあたりのデメリットもキチンと伝えて、お施主さんの了承を得ることが必要になりますね。
そんな良い点も悪い点もある縁無し畳。
皆さんは伝統的な畳と比べて、どちらの畳が好みですか?
おわりに
いつもご覧になっていだたきありがとうございます。
なぜ急に畳を取り上げたのか?
それはいま公開中の映画「君の名は。」の中に、畳にフォーカスするシーンがあったからです。笑
それも縁ありの立派な畳が。
縁無し畳も良いけれど、日本の原風景に合う畳はやっぱりこっちだよな~と思わずにはいられません。
住宅にオシャレさや性能を追い求めることも大事ですが、日本という国を踏まえ、その歴史の地続きにある住宅を生み出していきたいですね。
それでは。