皆さん、こんにちは。mitsukiです。
「一寸先は闇」
怖い言葉ですよね。
先のことは誰にもわからないという意味です。
普段生活している私達も例外ではありません。
ある日道を歩いている最中、突然車が突っ込んでくる可能性も無きにしもあらず。
日々生活できていることに感謝ですね。
さて本題に入ります。
「一寸」とはどれくらいの長さでしょうか?
尺貫法
日常的に皆さんが使う長さの単位はメートル法だと思います。
1m = 100cm = 1,000mm
といった具合ですね。
しかし建築の世界では少し異なります。
というのも日本の場合、昔からの名残で尺貫法という測り方がベースになっています。
「尺・寸・分・厘」などが使われていますね。
基準となる大きさは名前の通り「尺」です。
その内訳はこちら!
1尺 = 30.3cm
30.3cmだなんて中途半端じゃない?
とお思いかもしれませんが、これはメートル表記にしたものなので気にしないでください。笑
尺という長さは日本人の手首から肘の長さが元になったものです。
ん〜、それにしても
いまいちピンと来ませんね。
しかし少しだけ辛抱してください。
なぜなら実際にこの尺貫法が使われている場面は日本に住んでいる私たちの身の回りに多々あるからです。
身近な尺貫法
例えば畳。
(以下「帖」とします。意味は同じです笑)
賃貸物件を探したことのある人ならお分かりになるかと思いますが、部屋の大きさは「◯帖の大きさ〜」と表現されていませんでしたか?
6帖の部屋と言われれば、大体の方が
「あー、あれぐらいの大きさね。」
と合点できると思います。
逆に6帖をメートルに換算して、
「9.9㎡のお部屋が〜」
とか言われても、なかなかイメージが湧きませんよね。
それだけ私たち日本人にとってはこの表記が浸透しています。
そして何を隠そう、この畳の大きさは尺貫法が元になっています。
畳一枚の大きさは3尺×6尺。
(910mm × 1820mm)
なぜこの大きさなのか?と言われれば、
それは昔から日本人1人に最低限必要な大きさがだいたい畳一枚分だからです。
立って半畳、寝て一畳。
平均的な日本人としては最低限これだけの大きさがあれば事足りるということですね。
つまり尺貫法は「日本人のヒューマンスケール」です。
何かしらの設計をするときも、この尺貫法をベースに流さを決めれば日本人として使いやすい製品が作れるという指標にもなります。
尺貫法は日本人の日本人による日本人のための寸法なのです!
補足ですが、海外の場合はどうでしょうか。
例えばアメリカであれば有名な長さの単位がありますよね。
そう、フィートです。
米国のヒューマンスケール
1フィート = 30.48cmです。
ん?
1尺とほとんど変わりませんね。
でも日本人とアメリカ人じゃ体型も全然違うし...
そう思った方は鋭いです。
先ほど「1尺は日本人の手首から肘の長さ」と説明しましたが、フィートはアメリカ人の足の大きさがもとになったと言われています。
足が30cm...?
アメリカ人、足でかッ!!
感服しますね。
以上、補足(蛇足)でした。
結局「一寸」って?
冒頭の質問が置いてきぼりでしたね。
尺が30.3cmであり、寸はその一つ下の位なので、寸は3.03cmになります。
つまり一寸先は闇を言い換えると、
3cm先は闇、という意味になります。
怖い!
もう本当に何も見えていない状態です。
昔では街灯もありませんし、それぐらい昔は光源がなかったのだと思い知らされますね。
文明に感謝です。
おわりに
いつもご覧になっていだたきありがとうございます。
最後に尺を使ったことわざを1つご紹介してお開きにしたいと思います。
「秋の雨が降れば猫の顔が三尺になる」
→秋は晴れた日より雨の日の方が暖かいので、猫も顔を長くし喜ぶということ。
...長すぎやしませんかね?
それでは。