皆さん、こんにちは。mitsukiです。
突然ですがこの二つの窓の違い、わかりますか?
A.
B.
窓の種類とか大きさについては突っ込まないでください。笑
今回はこの二つの写真をもとに話を進めていきたいと思います。
が、一旦すみに置いておき…
まだまだ専門的な知識のない私ですが、だんだんと美しい建築の基本みたいなものは何となくわかり始めてきました。
美しい建築の基本のき。
それはずばりスッキリ見せること!
スッキリ
スッキリ見せる?
モノが散らかってない状態のことを指すのでしょうか。
いいえ、違います。
とんでもなくアバウトで抽象的な表現ですが、つまりは「見える線を少なくさせる」という意味です。
線?何のこっちゃ?
今はまだそう思っていただいて結構です。
ではこの「スッキリ見せる」を念頭に、先ほどの写真を見比べてみましょう。
写真の違い
もうお分かりになった方もいるかもしれません。
スッキリ見せることを念頭においた時、この写真の違いにピンときた方も多いかと思います。
そうなんです。
Aの写真は窓の枠が見えないんです!
A.
逆にBの写真は窓枠が厚いため存在感を放っていますね。
(もちろんこれが普通なのですがAと比べてしまうと…)
B.
このAの写真の手法は「八掛納まり」という手法で、建具枠をあえて見せない大工さんの技なんです。
冒頭で見える線を少なくする、と述べましたがつまりはコレのことです。
本来であればここに建具枠の線が入って来るはずですが、大工さんのひと手間により建具の線を一本消すことが出来ましたよね。
一見すると何が違うのかわからない、もしかすると言われるまで気づかないかもしれない両者の違いですが、気付いてしまったらこの言葉を言わずにはいられません。
Aの方がスッキリ見える!笑
解説
さてこの薄く見える建具枠。
薄いのなら材料費も安く済みそう!
と思うかもしれませんが実はココ、お金と手間がかかってます。
隠れている部分は通常の枠よりも厚くできています。
難しいかもしれませんが一応断面を。
丸で囲ったところが八掛納まりの加工になります。
見てわかるように、本来四角だった木材の先端を刀のように尖らせているのです。
先ほど八掛納まりと書きましたが、別称は刀掛納まりとも。
その所以がここにあります。
この尖っている部分に左官工事で土をかぶせてしまうのですね。
そうすることで建具枠を限界まで見えなくしています。
先端を削るため、耐久性を考慮して通常の木枠よりも厚い材が必要になりますし、何より加工の手間もかかります。
線一つを消すためにここまでするか、と思うかも知れませんがそこは人それぞれ。
全人類が共通で「枠があっても気にしない!」と捉えてくれれば良いのですが、中にはスッキリ見せたい!と思う人も少なからずいます。
そんな人は多少の施工費や手間を惜しまず、建築的に美しいと思える方を選択するのですね。
線を一本なくすだけでもこの労力。
建築の奥は樹海のように深そうです。
おわりに
いつもご覧になっていただきありがとうございます。
もうお気付きかもしれませんがブログのデザインを変更してみました。
そんなことする暇あるなら記事を書け!と自責の念に駆られながら。笑
こういったレイアウトの新陳代謝が容易なところがウェブデザインの一番の良いところですよね。
建築もパッパッパと七変化できたらどんなに嬉しいことでしょう。
このあたりもまた何か考えていきたいですね。
それでは。