建築士になるまでに

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「けんちく」のプロを目指して

中古マンションの見分け方

皆さん、こんにちは。mitsukiです。

 

前回はマンションの斜線制限について取り上げましたが、今回もマンションネタです。

 

近年ではコンパクトシティなど人口を1箇所に集中させる政策が主流となっていますね。 

 

車を持たず公共交通機関で生活できるという素晴らしいメリットがある一方、人口が集中するため土地付きのマイホームを持つという選択肢は難しいものがあり、それならば中古マンションを買ってアレンジしよう!という方が増えているように思います。特に都心部で。

 

しかし一念発起していざスーモなどを眺めても、物件のどこを見ればいいのか検討もつかない方が多いのではないでしょうか。

私たちの誰もが不動産の知識が豊富なわけではありませんからね。

 

そこで今回は、私が個人的に考える中古マンションの大まかな見分け方をご説明したいと思います。

人によって様々かもしれませんが、ご検討の際の判断の1つの目安にでもなれば幸いです。

 

スケルトン

 

 

 

①旧耐震基準 or 新耐震基準

 

まず1つ目。

それは「新耐震基準か否か」です。

 

これは地震に対する耐性を指します。

建築基準法では建物が中~大規模地震をどの程度許容しなければならないのか?という基準が定められています。

 

↓に大まかな違いを記載したので、まずはこちらをご覧ください。

 

旧耐震基準

①震度5強程度の中規模地震:倒壊・崩壊しないこと

②震度6強から7の大規模地震:記載なし

 

新耐震基準

①震度5強程度の中規模地震:ほとんど損傷しないこと

②震度6強から7の大規模地震:倒壊・崩壊しないこと

 

・・・

 

 

いかがでしょう。

冷静に考えると、この基準がいかに現代にマッチしていないかが理解できると思います。

 

地震大国ニッポンでは昨今、震度6を超える大規模地震は毎年のように発生しています。

阪神淡路大震災に始まり、東日本大震災、近年では熊本地震、北海道胆振東部地震。

 

これだけの大地震が続いているなか旧耐震基準では震度5までしか言及されていません。

震度6以上の地震については記載すらされていません。

仮に大地震が起きてわが家が倒壊・崩壊したとしても文句は言えないんです。

 

翻って新耐震基準では大規模地震が来たとしても倒壊・崩壊してはならないと義務付けています。

多少の損傷はあるかもしれませんが、ひとまず人命の確保はできたと考えて問題ありません。

 

そんな旧耐震と新耐震。

もちろん中古マンションでも価格を左右する1つの目安になっています。

 

両者の具体的な境目は1981年(昭和56年)6月1日になります。

この日以降に確認申請が下りたマンションが新耐震基準となります。

(現時点では38年前に建てられたマンションです。)

 

大手検索サイトでは築年数でフィルタをかけられるので、この機能を使えば一発です。

 

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(と、ここまではあくまで一般論。

余談ですが、旧耐震基準でも頑強な中古マンションは存在します。 

例えば壁式構造の低層マンションなど旧耐震基準でも何ら問題ありません。むしろ優秀な部類。

旧耐震ということで価格も低くなりがちなので、こういった穴場物件も狙い目かもしれません。)

 

②乾式 or 湿式

 

2つ目は「乾式か湿式か」です。

 

はい、聞き慣れない言葉が出てきました!

これらは「かんしき」「しっしき」と読み、マンションの隣人との境界である「戸境壁(こざかいかべ)」の構造を指します。

 

そもそも「乾式・湿式」と聞いて何を思い浮かべますか?

 

乾いている、乾燥、晴れ、、

湿ってる、水蒸気、雨、、、

 

ずばり水です。

(無理やり過ぎますかね。)

 

施工に「水を使っているかどうか」がポイントになります。

 

水を使った施工方法といえばモルタルやコンクリート、塗り壁など。

→「湿式」はコンクリート壁のことを指します。

 

反対に水を使わない施工方法といえばプラスターボードやベニヤ板など。

→「乾式」は間仕切り壁の構造と大差ありません。

 

要は戸境壁が「コンクリートで出来ているかどうか」です。

それらを踏まえて考えてみると、湿式であるコンクリートの方が頑強なのは容易に想像がつきますね。

 

コンクリート壁は厚みが大体200mm。

防音も耐震性もばっちりで火事で焼ける心配もありません。

施工にも手間とお金がかかっているので、マンション自体に価値があると判断していいでしょう。

 

対して乾式である戸境壁はプラスターボードを2重張りしたり耐火仕様にしたりと奮闘はしていますが、やはり心許無いです。

実際問題、遮音性の面で隣人とトラブルになることも少なくありません。

 

以上より、敢えて乾式を選ぶメリットはありません。

 

ちなみに乾式と湿式の見分け方は

・叩けばわかります。

・ラーメン構造のマンションが多いので柱の出っ張りなどは1つの目安です。

・平面図ではコンクリート壁は↓のように3重線が引かれているので、これも1つの目安です。

 

RC壁

 

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(ただ一点、タワーマンションは重量の関係から漏れなく乾式が採用されています。

その時点でお察しですが、あれは人様の住む建物ではありませんので選択肢から外しておきましょう。)

  

 

 

③立地

 

資産価値と立地

 

3つ目は「立地」です。

 

ぶっちゃけここが一番大事。

他の要素なんて目クソ鼻クソです。(今までくだりは一体…)

 

不動産の価値は9割土地の価値です。

マンションも例外ではありません。

 

例えば中古マンションを購入して数年~数十年後に売りに出すとき、

・どんなに最新設備の高級マンションでも、人里離れた郊外であれば買い叩かれること必至です。

・反対にどんなにボロボロのマンションでも、駅前の一等地にあれば高値で買い手が付きます。

 

つまり立地の良いマンションは余程のことがない限り値崩れしません。

資産価値として非常に安定しています。

 

対して建物は劣化もすれば間取りの流行り廃りもあります。

価値が年々目減りしていくことは避けられません。

 

不動産を資産として下の世代に残すことを考えた場合、もらって嬉しいのはどちらかという話です。

 

天涯孤独の身であれば何も気にせず終の棲家としてマンションを購入するのもアリかもしれません。

しかし仮にご家族がいて、ご自身が亡くなられた後に迷惑をかけたくないと考えたら立地の良い(悪くない)中古マンションを購入されることをお勧めします。

(最悪、タダであれば買ってくれる程度の立地。後述します。)

 

相続放棄について

 

なぜこんなに資産価値にこだわるかといえば、不動産は国に返すことや所有権を放棄するなどの所謂「相続放棄」ができないからです。

というより不要な不動産「だけ」を相続放棄することはできません。 

 

仮に相続放棄をする場合、貯金や有価証券その他の資産もまとめて放棄しなければなりません。

あまり現実的ではありませんよね。

 

さらに相続放棄に至ったとしても、次の相続人が決まるまでは相続放棄した人が管理しなければならないと民法で規定されています。

買い手が付きにくいマンションはこの点でも不利です。

 

購入者はそのマンションが気に入ったから買うわけですが、その資産を受け継いだ人が同じように気に入ってくれるかはまた別の話。

不要だから売却してしまおうと考えても、買い手が付かない状況では所有し続ける他ありません。

もちろん住むなんてもっての外。

 

そうなるとそのマンションは固定資産税と修繕積立金を食うだけの金食い虫になってしまいます。

キングボンビー顔負けです。

 

相続人がそのような状況にならないよう、購入者は立地の悪くないマンションから順に検討しましょう。 

 

間違っても廃れたリゾート地の高級マンションなんて買ってはいけません。 

不動産管理は国民総出のババ抜きなのです。

 

まとめ

 

中古マンションの見分け方、いかがだったでしょうか。

 

大手検索サイトでは一緒くたに表示される「中古マンション」もその実、様々な判断基準があることがわかりましたね。  

これら全てを網羅することは骨が折れますが、さわりだけでも理解しておくことは決してマイナスではありません。

 

というのも今はまだ一過性のブームかもしれませんが、非正規雇用や派遣社員が定着し本格的に国民総貧乏時代に突入した現代では今後、中古マンション市場がますます活発になるからです。

 

このような時代背景は悲しいですが、不当な新築ロイヤリティがない分、適正価格で売買可能な点は不動産取引における大きなメリットだと思います。

 

また戦後や高度経済成長期とは異なり、衣食住が満たされている私たち1人ひとりが自らの「生活の質」に目を向ける機会は増えました。

よく戸建て住宅や中古マンションが身軽な賃貸住宅と比較されますが、住宅の質で言えばその差は歴然としています。 

 

賃貸住宅は家賃収入でオーナーの利益を確保しなければならない分、どうしても建物のコストが削られがちです。

それはキッチンやお風呂などの設備に限った話ではなく建物の構造まで及びます。

マンションなどの分譲住宅に木造アパートがないのが良い例です。

 

つまり家賃と住宅ローンとで同じ金額を払ったとしても費用対効果が全く異なるのです。

1つの地域に根付いて生活しているにも関わらず長らく賃貸住まいの方は搾取されていると言っても過言ではありません。

短期的にはリスクを取っていないことが、結果的には長期的な損失につながっているのです。

 

説教臭くなってしまいましたが、いずれにせよ大事なことは私たち1人ひとりが不動産(土地・建物)を見極める「目」を持つことです。

そうなれば良い物件はすぐ買い手が付くなど不動産の流通も活発になり、ひいては分譲住宅を所有する不安感も少しずつ払拭されるのではないかと考えます。

そんな風潮に世間様を持っていきたいと思う今日この頃です。

 

以上、中古マンションの見分け方でした。

 

見分ける

 

 

おわりに

  

新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願い致します。

 

細々と続けている当ブログですが、めでたく4年目に突入することができました。  

相も変わらず仕事が辛い日々ですが、仕事を通じて得た知識や見識・雑学なりを皆様にお届けしていきたいと思います。

 

最近では職業訓練校のことを質問される方も増えました。(おそらく一回りも二回りも世代が異なる方々)

社会から一度身を置き、学び直しをするという選択をする若い方が少しずつ増えてきたと実感しますね。楽しみです。

 

いつもご覧になっていだたきありがとうございます。   

 

それでは。