建築士になるまでに

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「けんちく」のプロを目指して

ベランダ・バルコニーはいらない

皆さん、こんにちは。mitsukiです。

 

建築設計事務所の宿命に工務店からのアフターメンテナンス依頼があります。

家のことを最も詳しく知っているのはその家を施工した工務店さんと同時に、設計製図した設計事務所でもあるからです。

よく言う「家ができてからが本当のお付き合いです。」なる決めゼリフはここに由来しています。

 

そのアフターメンテナンスの中でよくある事例の1つが「天井の雨漏り」です。

このような後始末的な仕事は下っ端が行かされると相場が決まっているのですが、そんな下っ端の私は現場に行くたびに思うのです。

 

「ベランダっていらないよね?」と。

 

この記事が新築を検討している方に少しでも参考になれば幸いです。

※ベランダとバルコニーは厳密には異なりますが、面倒なんでベランダで揃えます。置き換えて捉えても何ら問題ありません。 

 

ベランダ

 

 

 

ベランダと雨漏り

 

さて唐突にベランダ不要論を掲げましたが、ベランダと雨漏りは密接な関係があります。

 

まずベランダとは家(母屋)から張り出した屋外スペースのこと。

ほとんどの住宅にありますよね。

木造やRC造など構造の違いはあれど、梁を張り出して作っているのはどの建物も同じです。

 

ベランダの納まりとしては、天端にアルミ笠木で蓋をし、立ち上がり壁は外壁同様防水シートに水切り金物、床は勾配をつけてFRP防水、排水ドレンをつけて、サッシ下部まで120mm以上防水層を立ち上げて…

 

ごちゃごちゃ書きましたが、要はベランダは防水にすごく気を使っているのです。

 

屋根→外壁とシンプルな構造であれば雨水も外壁や樋をつたって自然と流れます。

 

しかしベランダはそうはいきません。

ただでさえ雨を受け止めるような複雑な構造をしているため、上記のようにいたる所を防水仕様にしなければならないのです。

 

加えてこれだけ気を使って施工したとしても、世の中から雨漏りが無くなることはまずありません。

それはお施主さんがメンテナンスを怠っていると言えばそれまでなのですが、自然発生的な経年劣化で簡単に防水機能が失われてしまうから。

 

例えば

・アルミ笠木の破損、すき間

・床防水の劣化 、ひび割れ

・排水ドレンの詰まり(落ち葉やゴミ)

・サイディング継ぎ目のコーキング劣化

 

ザッと思いつくだけでもこれだけ挙げられます。

 

雨水はすき間や裂けた防水層から侵入し、躯体をつたって階下の梁や柱に流れ落ちます。

雨漏りとして事態が表面化したときにはすでに躯体の浸水は始まっているのです。

湿った躯体は終いにはシロアリや腐朽菌の温床に…

 

恐ろしいことですが、これら全てをお施主さんが管理しろというのは流石に酷だと思いませんか。

当然お施主さんも建築のプロではありません。

 

このようにそもそも管理が難しいのであれば最初から作らなければいいのに、と雨漏り跡を見ながら私は思うわけです。

 

さて、このブログでも繰り返し述べていますが雨漏りは本当に厄介です。

家の資産価値を保つためにも居住後のメンテナンスには常に気を配りたいものです。

 

※雨漏りについてはこちらでまとめています。

 

ベランダの役目

 

では実際にベランダを排した場合、困ることはあるのでしょうか。

検討してみましょう。

 

1.おしゃれな屋外ライフが実現できない

 

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この写真のようにおしゃれな生活をしたい!

 

よくありがち(?)な要望ですが、ほとんどの方は1年もすればこんなことしなくなると思います。

 

だって寒いじゃないですか。(暑いじゃないですか。)

風でホコリも砂も舞ってます。

おしゃれな家具や雑貨も紫外線も紫外線で朽ち果てます。

 

結論、おしゃれ生活にベランダは無くてもOKです。

 

2.洗濯物を干す場所がなくなる

 

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本命はこちら。  

 

「ベランダが無いのにどこで洗濯物干すんだ!」という声が聞こえてきそうです。

しかし屋根のあるベランダならまだしも、屋根のないバルコニーでは洗濯物は干しづらいです。 

 

実際のところ室内干しだけで済ませている家庭も多いのではないでしょうか。

常に家に誰かがいるわけではない共働き世帯などでは特に。

花粉対策にもなりますしね。

 

ましてや「ゲリラ豪雨」なんて言葉が生まれた平成です。

専業主婦であっても突発的な雨に対応することは難しいでしょう。

今どきの新築では天井吊り下げ式の物干しレールも標準で付けられますし、室内干し派は今後ますます増えていく気がします。

 

布団を干す際もベランダが活躍しますが、砂や雨で汚れた外壁に布団をかけるのは不衛生な気がしますし、まあ布団乾燥機でも十分対応できますね。

 

結論、物干し場にベランダはあったら嬉しいが、無くても意外と何とかなる。

 

ベランダの代わりに

 

さて無理やりベランダなくてもOKと結論付けましたが、やや心許無いですね。

 

実際に新築計画(プラン)からベランダをなくした場合、もっとも困るのは物干し場になるでしょう。

常に室内干しでは梅雨の時期など苦労しますし、やはり1日で乾燥する仕組みは欲しいところ。

 

そこで私がおすすめしたいのは家庭用の「ガス乾燥機」。

要は家庭用のコインランドリーです。

 

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個人的に非常に興味があるのでご紹介しました。

 

というのも私自身が最近コインランドリーをよく使っているのですが、とにかく楽。早い。

そして洗濯物がふわふわ。

どんだけ使い古したバスタオルでもホテル顔負けの仕上がりになります。

光熱費も1回30円程度と費用対効果がすばらしい。

新築であれば初期費用も安価です。

 

※詳しくは下記のリンクがわかりやすいので、ご興味のある方はぜひ。

enepi.jp

 

共働きが当たり前となった現代において、家事は少ないに越したことはありません。

家族と過ごす時間はお金を払ってでも買う時代になっています。

とことん家事をこなして節約するか、適切な範囲でお金をかけて家事を代行してもらうか(人なり機械に)。

選べるだけでも豊かな時代なのだと思います。

 

そんな私はガス会社の回し者です。

 

 

まとめ

 

最後は宣伝になってしまいましたが、言いたいことは1つ。

 

「ベランダって無くても意外と大丈夫。」

 

ベランダで遊ぶのも新築間もない時期だけですし、メンテンナスに時間もお金も労力も取られるくらいなら、いっそのこと付けないという選択。

建物を長く健全に保つ方がよほど重要です。

 

こんなことを大ぴらに言うと、

 

建物の表情がつまらない~

外と内のゆるやかな境界が~

 

などと箸にも棒にもかからないことを言い出す輩(建築家)が出てきそうなので、このへんで。

 

 

おわりに

 

いつからでしょう。

建築をお金目線で捉えるようになってしまったのは。

 

こんな拝金主義の成金趣味の貧相な頭をしているから、私は未だにまともな建築家になれないのでしょう。

 

でもお金って大事なことですよね。

 

”新国立競技場を設計してみたけど実際の工事費が予算の倍以上でした。(てへぺろ)”

 

なんていうニュースを見たときから、私の想いは1つでした。

 

「建築家って頭おかしい。」

 

そう考えると、たぶん最初から。

 

いつもご覧になっていだたきありがとうございます。 

それでは!