建築士になるまでに

建築士になるまでに

「けんちく」のプロを目指して

メルカリで家を買う

皆さん、こんにちは。mitsukiです。

 

非常に不愉快な出来事があったので思い切って記事にしました。

詳細は後述しますが、いわゆる不動産仲介業者とのやり取りです。 

 

不動産会社の人間にイラッとした経験を持つ方は少なくないと思います。

私も引越しの際にはご多分に漏れず町の不動産屋を訪れていますし、繁忙期には数多くいる客の一人としてぞんざいに扱われたこともあり、まあ売り手市場だから仕方ないと割り切ったことも多々あります。

桜舞い始めたちょうど今くらいの季節。

 

ただ今回は仕事として関わりを持ったわけです。

いわゆるB to B。会社と会社です。御社と貴社。

 

それにも関わらずこんな適当な扱いを受けるとは思ってもみなかったので、失望しているとともに心配しています。

「不動産業界って大丈夫?」と。

 

 

経緯

 

いまの事務所に入社して早4年。

徐々に責任ある仕事も任されるようになり、お施主さんの担当になることも増えてきました。

打ち合わせに同席したりメールでのやり取りを受け持ったり、所長とお施主さんを取り持つような仕事です。

 

まだ正式な設計依頼がなくお客さんになるか定かでない場合も、取り敢えず担当として付かされる。

手元に物件がないお施主さんの場合は不動産をイチから探すことからお手伝いする。

 

そんな日々が続いている中、コトの発端はこうです。↓

 

物件を探す場合は、お施主さんの希望に沿った地区の用途地域や周辺環境を頭に入れながらポータルサイト※を閲覧します。

 

※ポータルサイトとはスーモや不動産ジャパンのこと。

(レインズという大御所ポータルサイトがありますが、こちらは宅建業者しか閲覧できません。)

 

各物件にはそれぞれ仲介業者が存在し、物件を見る場合にはそこに問い合わせをする必要があります。

今回の例でもお施主さんに合いそうな物件があったので、担当の不動産会社に連絡しました。

 

この土地はまだ売りに出ていますか?

建築条件はありますか?

新築時はセットバックしなければなりませんか?

 

諸条件も良さそうなので仲介業者と顔合わせをし、いざ現地調査。

この時場合によってはお施主さんも同行します。

 

現地調査の結果も良好だったのでその土地をもとにプランを作成。 

早速所長がプランを練り、打ち合わせをセッティング。

 

所長渾身のプレゼンの甲斐もありお施主さんもプランに大満足です。

いよいよ家を建てる気運が高まっていきますね。

 

ただその後に実施設計をするにも、まずは手元に土地が無ければ話が進みません。

そこで物件購入のフェーズに入ります。

 

物件を購入するにはまず仲介業者に

①買い付けをする意志と

②買付金額

を伝える必要があるので担当者に連絡。

 

担当者に上記の2点を伝えます。

 

私:「土地を買いたいです。買付け金額は◯,◯◯◯万円です。」

 

担:「買付けの意志、確かに承りました。売主様にお伝えします。再度こちらから連絡します。」

 

浮かない声の担当に疑問を覚えつつも、まずは物件を買付する意志を示しました。

場合によってはそのまま買付証明書を提出したりします。

 

普段であれば即日、遅くとも翌日には返答をもらえるので、良い返事が聞けることを期待しつつ連絡を待ちます。

 

1日、2日、…

 

売主は週末しか連絡が取れない人なのかな?

さすがに1日2日で催促するのは野暮かもしれない。

こらえて待ちます。

 

3日、4日…

 

一向に連絡が来る気配がありません。

電話しますが、応答もありません。

 

仕方なくメールで担当者に連絡します。

 

私:「買主様の反応はいかがでしょう。状況を教えてください。」

 

返信がありません。

ちょうど売主とやり取りしている最中なのかな?

もう少し待ってみよう。

 

1日、2日、…

 

しびれを切らして再度電話します。

電話には出てくれました。 

 

担:「申し訳ありません。売主様と連絡が取りづらく、もう少々お時間をください。」

 

取りづらくってなんだ。

買付金額を伝えるだけだろう。 

 

文句が口まで出掛かりましたが、ここも我慢我慢。

再度連絡を待ちます。

 

1日、2日、… 

 

相変わらず連絡が来ません。

埒があかないので直接店舗に向かいます。

 

受付を訪ねてみてもあいにく担当が不在とのこと。

不審者扱いされても困るので言付けをお願いしてその場を去ります。

 

1日、2日、… 

 

やっと連絡が来ました。メールで三文。

 

担:「お時間いただき恐縮です。売主様のご希望金額に満たないので、今回はお見送りさせていただきます。失礼します。」

 

堪忍袋の緒が切れるとはこの事かと、いい年して実感しました。

散々人を待たせた挙句、大した謝罪もなく一方的にやり取りを終わらせる。

まともな社会人のすることではありません。

 

そもそも買付金額が売主の最低売却価格に満たないなんてことは即刻わかるはず。

電話で怒鳴りつけてやろうかとも思いましたが会社の評判を落とすわけにもいきません。

 

しかし冷静になって物事を整理すると、段々と全体像が見えてきました。

向こうの事情は大方こんな感じだったのだと思います。

 

①売りに出していた土地に対して、私達(A)と同時期に買い付けが入った。(仮にBとします)

②金額はBの方が高額だった。

③Bの信用力に疑問符がついたためローン審査に時間がかかりそう。

④Bがローン審査に通らない場合に備えてAを足止めしておく必要があった。

⑤Bが問題無さそうなのでAに断りを入れた。

 

要はAはキープ君です。

のらりくらりと時間を稼いでいたのがその証。

 

このやりとりを見て皆さんはどう思いますか?

私は「不毛」という言葉以外では言い表せません。

 

補足

 

小休止を入れましょう。

不動産売買が身近な人は少ないと思うので、ここでいくつか前提で知っておいてほしいポイントを挙げます。

 

①市場に出ている物件には不動産仲介業者が付いている

 

チラシやポータルサイトをご覧になればわかりますが、各物件ごとに取扱業者が記載されているかと思います。

その理由は宅建業者しか不動産情報は取り扱えないからです。

 

売主が個人的に買主を探す分にはこの限りではありませんが、現状では個人が不動産情報を発信できる仕組みがありません。

逆説的に世に出回っている物件には漏れなく仲介業者がバックに付いているということになります。

 

②不動産仲介業者は取引金額の3%がもらえる

 

市場を介した取引であればその購入金額の3%分を不動産仲介業者に払う必要があります。

 

先の例で言えばAよりもBで取引された方が仲介業者の儲けは大きくなりますね。

彼らが手間を惜しまずBで推し進めたのはこれが理由です。

 

売主・買主どちらも仲介した場合は両者からお金がもらえます。(これを両手取引といいます)

ちなみに個人間の取引であれば仲介手数料は発生しません。

 

③表示価格以下での取引も多数行われている

 

買付金額という言葉を聞いて疑問に思った方もいるかもしれません。

大阪のおばちゃんみたいですが、表示金額よりも買付金額を低く出すことは広く一般的に行われています。(あくまで常識の範囲内で)

要は"まけて"もらうのです。

 

売主が金額云々よりも即時売切りを優先しているケースもあり、その場合はたとえ買付金額が希望金額を下回ったとしても売買が成立することがあります。

 

 

もっとシンプルになる

 

さて本題に入ります。

 

私個人が不愉快に思ったなんて些末なこと。

問題はこの歪んだ構造です。

 

本来の流れはシンプルなはずです。

 

A.売主

・売ります。

・いつまでに売り切りたいです。

・最低価格はこれくらいです。

 

B.買主

・買います。

・いくらで買いたいです。 

・予算はこれくらいです。

 

この両者のマッチングさえできれば問題はありません。

にも関わらず、ここに仲介業者が割り込んでくるから事態がややこしくなる。

 

仲介業者が良心に則って本来の役目を果たしてくれればこんな面倒なことにはなりませんが、どの業者も高値での取引や両手取引を目指せる構造になってしまっているため魑魅魍魎の戦いが繰り広げられています。

 

例えばこんなことも日常的に行われています。

 

・買付金額が安すぎる場合は売主に伝えない(儲けが減るから)

・査定価格が実物に則していない(中には自社のオトリ物件にしてしまうケースも)

・同業他社から問い合わせがあっても知らんぷり(両手取引が理想だから)

 

これを「駆け引き」と言えば聞こえは良いですが、要は仲介業者が自身の利益を最大限確保するための姑息な手段です。

間違っても売主・買主の利益にはつながっていない。

こんな茶番に売主や買主が振り回されるのどうしても納得いきません。

 

先の事例では、私もお施主さんも1週間以上時間を取られました。

同時並行で他の土地を探すという方法もあったかもしれませんが、買主は同時に複数の業者に買付を出すわけにはいきません。

仲介業者のメンツを潰すことにつながりかねないからです。

 

しかし現実は仲介業者が「自分だけが売主とつながっている」のを良いことに後出しジャンケンでやりたい放題。

ルールを守った者がバカを見る悲しい世界です。

 

仲介業者の存在意義は「不当な売買から売主・買主の利益を守る」ことですが、そんなことは建前でしょう。

本当に客の利益を考えたら自分たちがいなくても取引が回る仕組みづくりを考えるべきです。

 

そんなことをイライラしながら考えていたところ、あるじゃないですか。

 

Amazonが。

楽天市場が。

Yahoo!オークションが。

メルカリが。

 

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ECサイトで家を買う

 

解決編に入ります。 

 

実際に個人間で物件売買ができるような仕組みを考えてみましょう。 

個人間売買の仕組み自体はここ数年で急速に発展してきました。 

メルカリなどはその筆頭ですよね。 

 

が!

 

実際にそのままメルカリを使うわけにはいきません。

売主負担ですが手数料が10%もかかりますからね。

不動産仲介手数料以上に取られます。

 

ここは潔く新しいECサイトを開設してもらいましょう。

システム的には金額の大小がシステム自体の運用コスト増につながるはずもないので、そこは1%未満に設定してもらって。

取引金額が大きいのでそれでも元が取れます。

 

お店ができたら次は商品登録ですね。

物件紹介ページは売主に作成してもらいましょう。

 

あらかじめフォーマットを作成しておき、それに沿えば一般の方でも登録できるような仕様にします。

そもそもポータルサイトの物件ページもアルバイトが作成しているんですから、出来ないなんてことはありません。

 

土地の面積、建物の面積、外観の写真、玄関の写真、トイレの写真、公共下水か、浄化槽か、TVアンテナはあるか、etc…

そのあたりを明記すれば十分です。

 

物件価格は土地と建物の合計で構成されています。

地価は国土交通省が発表しているので、敷地の面積に乗算すれば算出できます。

建物は建設費用と建設年月日から逆算すればこちらも算出できます。

※ちなみに、木造住宅は30年が経過したら価値無しとみなされます。

 

商品の陳列ができたら、次は商品を選んでもらいましょう。

 

売主によって「即売却を目指す」「長い目で考える」等々皆さん懐事情は異なります。

売り方は売主が選べるようにしましょう。 

通常の売買の他に入札形式、オークション形式を組み合われば大半の事例には対応できるはずです。

 

さあ、お客さんが商品を片手にレジに来ました。

売主・買主ともに金額については了承済みです。

 

重要事項説明は個人間売買であれば必要ありませんが、念の為仕組みを作っておきます。

 

ECサイト側に宅建資格者を1人雇ってもらいましょう。 

いわゆる名義貸しです。

 

で、実際の重要事項説明は、あれです。

「同意します」ボタン。

 

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あの中身を熟読している方は稀でしょう。

本当はくまなく読まなければいけないんですけど。

 

しかし同じように重要事項説明自体、大半の方が聞き流していますよね。

これと同じことです。

 

重要事項説明"書"も売主が登録した情報をもとに自動出力すればOK。

逆に言えば重要事項説明書に記載する必要がある項目を物件登録の必須項目にする必要がありますね。

 

では重要事項説明も済んだのでいよいよ契約に入ります。

 

売主にとっては買主の資金力があるかは気になるところですね。

お互い苦労したので、ここで支払いが滞るなんて事態は避けなければなりません。 

 

最近ではAIがクレジットカードの支払状況などで個人の信用力・与信力を格付けできる仕組みがあると聞きます。

個人間売買にもそれらの情報をもとに一定の信用力を担保しておけば事足りるでしょう。 

 

これで決済も無事完了です。

仲介業者の出番なく不動産の売買が完了しました。

 

まとめ

 

いかがでしょう。

不動産の個人間売買の仕組みも、一つひとつ考えれば割と実現可能な気がしてきました。

 

ただこういった提案をすると大抵このような問い合わせ(苦情)が来ます。

 

・そんな不確実な売買で売主が損したらどうするんだ!

・買主が変な物件つかまされたらどうするんだ!

・インターネットのわからない老人はどうするんだ!

 

まあまあ、出来ない理由を考えるのが得意な人のなんと多いことか。

 

逆ですよね。

 

そういった懸念事項を取り払いたい人こそ仲介手数料を払えばいいんですよ。

それこそが仲介手数料の本来の役目だと思います。

 

安心をお金で買う。

大いに結構じゃないですか。

 

しかし長引く不景気で消費者の生活が苦しくなっているのは紛れもない事実。

賢い消費者が増えていく中で、1万円でも10万円でも安く家を買いたいと考えるのは至極当然ですし、彼らの目が理不尽に高額な仲介手数料に向くことも自然な流れです。

 

お国に守られた制度の中で胡座をかくどころか、自分たちが儲かることで頭がいっぱいの仲介業者はいずれ淘汰されていくことでしょう。

 

そんな消費者に厳しくも優しい世界が実現できたらいいと思うのは私だけでしょうか?

 

妄想からは以上です。

 

 

おわりに

 

いくつになっても、どんな職業に就いていても年度末は忙しいものですね。

しかも数ヶ月後には消費税の駆け込み需要も控えているので来年度はハードな一年になりそうです。

 

ただそれでも桜(と花粉)が知らせてくれる一年の終わりと始まりの時期は、無性に切ない気持ちになります。

 

それはラジオから聞こえてくる桜の歌が大抵ノスタルジックだからか、

はたまた過去に経験した別れの記憶が胸に刻まれているからでしょうかね。

 

いつもご覧になっていだたきありがとうございます。 

それでは。