建築士になるまでに

建築士になるまでに

「けんちく」のプロを目指して

二級建築士の受験資格が改正されました

皆さん、お久しぶりです。mitsukiです。

 

建築士を目指している方には既知のことかもしれませんが、来年度の建築士試験の受験資格が緩和されます。

簡単に言うと「受験資格の要件となっている実務経験」が「建築士免許の登録要件」に改められます。よく分かりませんね。掘り上げてみましょう。

 

 

学歴要件から登録要件へ

 

従来の受験要件は下記のような流れでした。

①指定学科卒業

②実務経験

③試験受験・合格

④建築士免許登録

 

これが次のように改正されます。

 

①指定学科卒業

②試験受験・合格

③実務経験

④建築士免許登録

 

「②実務経験」と「③試験受験・合格」が入れ替わったのが分かりますね。前フリが長くなりましたが、要は

 

「受験時に実務経験を満たしていなくても試験が受けられる、合格さえすれば規定の実務経験を積んだ時点で二級建築士免許が交付される。」

 

という趣旨のものです。これは該当する方にとっては受験のハードルがかなり下がったと見ていいでしょう。というのも今回の建築士法の改正は受験者数を増やすことが主な目的だからです。

 

例えば建築学科を卒業した若者が新社会人になったとします。建設業はブラック業界の代名詞ですから、数年間の実務経験を積むのも容易ではありません。配属された部署では連日連夜残業を強いられ、家には寝に帰るだけ、とても受験勉強にまで手が回りません。数年後、実務経験を積んだ頃には立派なブラック企業戦士に生まれ変わります。彼は言いました。「もう資格なんていらない。俺はこの会社に一生を捧げる」。受験資格者が1人減った瞬間です。

 

こんなケースは稀でしょうが、従来は学校を卒業した若者が試験までの間に学科の内容を忘れてしまうことが多々あったのだと思います。実際問題、就職した会社によっても業務内容は大きく異なりますし、現場に配属されれば法規の知識が疎かになっていくことは仕方ありません。逆もまた然り、申請業務ばかりでは施工の知識まではなかなか身に付かないでしょう。

 

建築士という職能の特性上、幅広い分野の知識が問われることはもちろん当然なのですが、その影響もあって「試験勉強をしない」≒「試験には合格する見込みはほとんどない」という図式が成り立っています。日常が業務に忙殺されている方々にとってはもう勉強する気が起きないというのが正直なところでしょう。建設業は特に時間と労力が奪われる過酷な(ブラックな)職業ですから。

 

そんな背景もあって、今回の改正は例に挙げた若者にとっては嬉しいものです。卒業後の数ヶ月であれば試験へのモチベーションも保てますし、会社側にとっても有資格者が増えることは歓迎されるべきこと。会社側の理解があれば心身ともに健全な状態で7月の試験までたどり着けるでしょう。素晴らしい改正です。

 

(参考までに建築技術普及センターの改正前後の図を貼っておきます。↓ )

 

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指定学科を出てない人は?

 

さて、この改正内容を知ったとき私は大いに喜びました。というのも、実務経験を満たしていなくても受験できるのであれば私も7年間の実務経験が問われないと思ったからです。

 

違います。

 

指定学科を出てない者にとって、今回の改正は箸にも棒にもかからない内容だったのです。私は大きく落胆しました。一番大事な私自身には何の恩恵もなかったからです。

 

(ここからは八つ当たりになります。)

 

先ほども述べたように、今回の改正は受験者数を増やすことが目的のはずですが、それはただの建前だということを思い知りました。本気で受験者数を増やそうと思ったら指定学科を卒業した方々と同じように、受験要件から実務経験をとっぱらってしまえば事足りるからです。それは、誰でもいつでも二級建築士試験を受験できるということです。受験者数は大いに増えるでしょう。受験料もがっぽり儲かりまさにWin-Winな関係です。そして仮に合格した場合でも、7年間は実務経験を強いることで軽薄な二級建築士を排除してしまえば済む話です(試験に合格している時点でそんな筈はないのですが)。試験に合格しているという実績があれば異業種からの転職だとしても有利に運ぶでしょう。

 

それをしないのは、ある程度の建築的知識が担保されている受験者だけを試験の対象としたいが為です。しかし改めて考えてみると「建築的知識」とは何でしょう。「建築的知識」でふるいにかけるのが本来の建築士試験の役目であって、その上で更に必要な「学歴的なふるい」って一体何なのでしょう。

 

建築的な造形に詳しいこと?デッサンが上手いこと?新建築を読んでいること?住宅特集を読んでいること?三大巨匠について詳しいこと?

 

パッと思いつくのはこの辺ですが、正直あってもなくても大して変わりません。少なくとも私はそう思います。学歴要件を満たすことが一体何の担保になるのでしょう。建築士には試験だけでは計れない「何か」が必要なのでしょうか。しかしそんな世捨て人みたいな趣味・趣向を世の中が求めているとは到底思えません。

 

一歩外に出てみれば一目瞭然です。ハウスメーカーで家を建てている人がほとんどではないですか。みんな同じでみんな安心。過去の事例や決まりきったパターンで設計が行われており、建築的造形なんて誰も求めていません。安くて高機能な家を求めているんです。イチから設計する機会がある建築士の方が稀です。

 

何より、建築的造形を深めているだけでは稼げません。利益が取れない、食っていけない。その証拠に建築家と言われている方々がメディアに出ている様子はどうですか。スーツですら無い、一風変わっている私服ときた。夢追い人のオーラが全開ですし、とてもシニアの品格をまとっているようには見えません。その風貌から「その日暮らしが精一杯です。」というのがビシビシ伝わってきます。そりゃ御施主様も安心したいですからね、大手ハウスメーカーに発注しますよ。世間は正直です。と同時に、世の中が建築的造形に価値を見出していない(≒お金を払いたくない)何よりの証拠です。

 

そんな状況にも関わらず既存の建築士は自身の存在意義を守ることに必死です。内輪でシコシコやっているのが現在の建築士会です。世間からは誰も見向きもされません。街頭インタビューでも挙がるような建築家って隈研吾氏ただひとりじゃないですかね。それだけ関心がありません。勝手にルール作って、勝手に難しくして、振り返ったら誰もいなかった。そんな集団です。それでもお上のルールに守られてますけどね。

 

ただそんなことをこれから先も続けるよりは、建築士の裾野と門戸を広げてお互いにバンバン競争させて切磋琢磨させた方が建築業界の将来のためになると思います。

 

建築士会とか建築巡礼とかディテールとか、本当に気持ち悪い。お金にならないことにいつまでも時間をかけているのが滑稽すぎる。そんなことより1円でも安く施工できる方法とか、1円でも多く払いたくなる空間とか、1人でも多く集客できるような方法を研究した方がよっぽど世の中の為になります。数字で表せることを世間は望んでいます。そしてそれは多種多様な、様々な経験をした人材がいた方が有利にはたらくと思うんです。だから学歴要件撤廃して。

 

以上、愚痴でした。 

 

 

おわりに

 

いつもご覧になっていだたきありがとうございます。 

 

事情あって更新が遅れてしまいました。

またイチから仕切り直しです。

 

心なしか、心まですさんでしまったような気もします。

やはり学歴無き者に建築士は少々ハードルが高かったようです。

 

しかし後学のためにも、地道でも実務経験を積んでいきます。

 

それでは!